スケジュール・マネジメント

プロジェクトマネジメントにおけるタレント・トライアングル「テクニカル・プロジェクトマネジメント」より、「スケジュール・マネジメント」への理解を深めプロジェクト・マネジャーに必要とされるコンピテンシーを身に着けよう。

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ベネフィット

このコンピテンシーを習得すると、成果物やサービスを実現するための効果的な開発計画を立案し、その計画通りに作業を実行することができるようになります。

スケジュール・マネジメント

定義

スケジュール・マネジメントは、PMBOK第6版に記載されている10の知識エリアの一つであり、プロジェクトを所定の時期に完了させるために必要な作業の計画(スケジュール)を策定し、その策定した計画通りに完了させるためのマネジメントを行います。

概要

スケジュール・マネジメントは、大きく、計画の段階でのスケジュールの策定と実行段階でのスケジュールの監視・コントロールの2つに別れます。実行段階では、成果物やサービスを実現するための作業を洗い出し、作業の順番や担当者を決めてスケジュールを作成します。また実行段階においては、作成したスケジュールをもとに、プロジェクトの進捗状況を把握し、計画と実績の差異を確認、評価し、対策を立てて、計画通りに完了するようマネジメントしていきます。

説明

スケジュールの策定までの手順はおおよそ次のようなステップになります。

  1. 作成する成果物やサービスの最終ゴールを把握する(何を作るか)
  2. 成果物やサービスを実現するための作業段取りを考える(どの順番で作るか)
  3. それぞれの作業にとりかかる時期を見積もる(いつ作りはじめるか)
  4. それぞれの作業に必要な時間を見積もる(どのくらいでできるか)
  5. それぞれの作業に担当者を割り当てる(誰がやるか)

実行段階は、計画段階で策定したスケジュールをもとに進めていきます。計画段階でいかに最適なスケジュールを策定しても、人員の不足やスキル不足、見積の失敗や顧客からの仕様変更など、様々な問題により、スケジュールが遅れていきます。プロジェクトマネージャーは、EVM(Earned Value Management)などのテクニックを用い、状況を監視し、コントロールしていく必要があります。

やってみよう

ますは成果物やサービスがどのような構成要素から成り立っているか、分解していきます(このリストをWBS(Work Breakdown Structure)と言います)。例えば、「朝ごはん」は、「ごはん」と「味噌汁」と「おかず」で構成されるとした場合、「ごはん」を作るのにかかる段取り、「味噌汁」をつくる段取り、という風に作業として分解し、その作業を時間軸上に並べると、それはスケジュールになります。あとは、どう並べ替えると効率的な作業や、人員の割り当てができるかを考えます。

スケジュールは一度で完成することはなかなかありません。トライアンドエラーを繰り返しながら完成させるもの、と思ってじっくり取り組みましょう。

出典

一般社団法人 PMI日本支部、2018年、「タレント・トライアングル 破壊的イノベーション時代に求められるプロジェクト・マネジャーの実践スキル」、評言社

Project Management Institute、2017年、「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド第6版」、Project Management Institute

Gregory T. Haugan、2005年、「実務で役立つWBS入門」、翔泳社

Project Management Institute、2012年、「アーンド・バリュー・マネジメント実務標準 第2版」、Project Management Institute

岡村庄司、2010年、「絶対に遅延しないプロジェクト進捗管理 マスタースケジュール、アーンド・バリュー・マネジメント、PMSによる科学的・定量的な進捗管理」、日経BP社

クウォンティン・フレミング+ジョエル・コッペルマン、2004年、「アーンド・バリューによるプロジェクトマネジメント」、日本能率協会マネジメントセンター


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