企業運用機能群としてのプロフィット・センターとコスト・センター

プロジェクトマネジメントにおけるタレント・トライアングル「戦略的およびビジネスのマネジメント」より、「企業運用機能群としてのプロフィット・センターとコスト・センター」への理解を深めプロジェクト・マネジャーに必要とされるコンピテンシーを身に着けよう。

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ベネフィット

企業運用における組織機能の理解によって、部門の果たす役割を理解することにつながります。これにより経営課題に踏み込み、利益を生み出す新しいビジネスや新しい顧客を創造するために、企業活動に貢献する付加価値や必要とされる技術力の違いを理解できます。

企業運用機能群としてのプロフィット・センターとコスト・センター

定義

企業機能群は一般に、プロフィット・センターとコスト・センターに分けられます。プロフィット・センターとは、利益とコストに責任を持つ部門であり企業の中の稼ぎ手となる部門です。一方、コスト・センターとは、直接利益を生み出すことが目的でない部門ですが企業に不可欠な機能を提供します。

概要

企業にとって自社のビジネスにおける収益を上げるプロフィット・センターは重要な役割を担います。コスト・センターがプロフィット・センターと異なる点は、企業機能の遂行の上で管理されるのは費用だけであることです。コスト・センターはサービスレベルの維持に責任を持ち、収益部門であるプロフィット・センターを支援する重要な役割を担います。

説明

コストセンターは直接に利益を生み出せませんが、経営戦略の武器として活用されれば、業績アップにつながります。単なるコストセンターから脱却させることが必要不可欠です。

総務・人事部門や経理部門のようにビジネス部門を支援する役割だけを担うバックオフィスは、単なるコストセンターかもしれませんが、IT部門はコストセンターの役割を担いながら、利益創出に貢献するプロフィットセンターに転換することができます。

やってみよう

IT部門の価値を引き出すためには、下記の行動を起こしましょう。

  1. IT部門のメンバーもビジネス部門の事業戦略を理解しましょう
  2. 経営層を巻き込んで、経営戦略や事業戦略に合致するIT戦略室を組織しましょう
  3. IT部門は単なるヘルプデスクから能動的に問題解決に務め、ビジネス部門へと快適なITサービスを提供する「サービスデスク」になりましょう
  4. IT部門のノウハウが個人にだけ蓄積される属人化を防ぐためには、きちんとした管理ルールの策定やプロセス策定などを実施しましょう
  5. サービスレベルのルールを決めましょう
  6. 提案したシステムの効果を投資対効果として報告しましょう
  7. 外部ベンダーに委託している業務を、ITサービス管理ツールなどを使って可視化しましょう
  8. IT部門で働くすべてのスタッフは、スキルをアップするために常に勉強する意欲を持ちましょう

出典

一般社団法人 PMI日本支部、2018、「タレント・トライアングル 破壊的イノベーション時代に求められるプロジェクト・マネジャーの実践スキル」、評言社

井上 誠、「《連載:第2回》 単なる「コストセンター」から脱却せよ――「できるIT部門」に生まれ変わるための8カ条【前編】」、https://smart-stage.jp/blog/p4/、(最終アクセス2019年12月26日)

井上 誠、「《連載:第2回》 単なる「コストセンター」から脱却せよ――「できるIT部門」に生まれ変わるための8カ条【後編】」、https://smart-stage.jp/blog/p5/、(最終アクセス2019年12月26日)


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