ライフサイクル・マネジメント
プロジェクトマネジメントにおけるタレント・トライアングル「テクニカル・プロジェクトマネジメント」より、「ライフサイクル・マネジメント」への理解を深めプロジェクト・マネジャーに必要とされるコンピテンシーを身に着けよう。
ベネフィット
初期構築段階だけでなく、運用段階を含めたTOC(Toal Cost of Ownership:総保有コスト)に着目することで、生み出されるベネフィットが投じられたコストに対して見合ったものとなるか考慮できます。プロジェクトを予算内に収めることにとどまらず、多様なステークホルダの期待と懸念を適切にマネジメントすることにつながります。
定義
ライフサイクル・マネジメントとは、企画立案から利用終了・廃棄に至るまでの一連のライフサイクル全体を統合的にマネジメントすることです。PMBOKガイドでは、プロダクト・ライフサイクルとプロジェクト・ライフサイクルの違いに触れています。
プロダクト・ライフサイクルとは、概念から納品、成長、成熟、そして撤退に至るプロダクトの進展を表現する一連のフェーズを指します。
プロジェクト・ライフサイクルとは、プロジェクトの開始から完了に至るまで、プロジェクトが経由する一連のフェーズを指します。
概要
プロダクト・マネジャーとプロジェクト・マネジャーは、アプローチや考慮すべき要素が異なります。しかしプロジェクト・マネジャーに全体を通した費用対効果を正しく考慮し、期待した利便性や使いやすさといったベネフィットを満足することに努めなければなりません。様々なライフサイクル手法から適切なものを決定し、プロジェクトをコントロールすることが成功につながります。
説明
- プロダクト・ライフサイクル
プロダクトが市場に投入されてから消滅するまでの過程を、納品、成長、成熟、撤退の4つプロセスで示したとします。 納品では、プロダクトが市場に投入された直後であり、売り上げや利益が小さいという特徴を持ち、やがて成長、成熟を経てプロダクトは市場に認知され、世の中で普及していき、最終的に市場からの撤退へと向かいます。
プロダクト・マネジャーはこれらのプロセスにおける特徴を捉え、適切な戦略を考え、そして意思決定しなければなりません。
- プロジェクト・ライフサイクル
プロジェクトが開始され、計画、実践、完了の4つプロセスで示したとします。開始では、プロジェクト立ち上げに伴ったチームビルディングを実行し、計画から実践にかけて工数が増え、完了に向かい収束する特徴があったとします。
プロジェクト・マネジャーはこれらのプロセスにおける特徴を捉え、適切なマネジメントを実行し、プロジェクトを完了させなければなりません。
やってみよう
ライフサイクル・マネジメントでは、プロセスごとに関係する資源、管理、リスク等が異なるため、各プロセスの特徴に合わせてマネジメントをコントロールする必要があります。
まずはライフサイクルにおいて、現在がどのプロセスに属しているのか、そしてそのプロセスの特徴はどんなものなのかを把握することから始めましょう。現状の把握ができれば、適切なマネジメント手法を選択できるかもしれません。
出典
一般社団法人 PMI日本支部、2018、「タレント・トライアングル 破壊的イノベーション時代に求められるプロジェクト・マネジャーの実践スキル」、評言社
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