傾聴
プロジェクトマネジメントにおけるタレント・トライアングル「リーダーシップ」より、「傾聴」への理解を深めプロジェクト・マネジャーに必要とされるコンピテンシーを身に着けよう。
ベネフィット
このコンピテンシーを習得すると、不確実な状況下での微妙な問題、リスク、機会をより正確に特定することができ、企業内の人間関係や、社外に属する顧客等の人間関係構築にとても役立ちます。
定義
傾聴とは、「目」「耳」「心」を傾けて、真摯な姿勢で相手の話を聴くコミュニケーションの技法です。
相手との信頼関係を築くだけでなく、傾聴を通して自分自身を知り、感情のコントロール等の精神的成長を促すきっかけにもなります。
傾聴が正しく行われると、話し手は自身の理解を深めることができ、積極的・建設的な行動を取れるようになるといわれています。
概要
PMIが発行するPMBOKガイドやPMのコンピテンシーを表すフレームワークであるPMCDFで説明されている傾聴を行うプロセスとしては、問いかけ、耳を傾け、共感するという3つのプロセスが必要です。
傾聴を行うことは、エンゲージメントを構築し、さらにリーダーの影響力を高めることに繋がります。
傾聴を上手に行うことができない場合、判断の誤り、施策効果の低下、機会損失が発生し、ステークホルダーとのエンゲージメントが失われてしまいます。
説明
傾聴はプロジェクト・メンバーの意欲をあげるだけではなく、他のステークホルダーに対しても有効であることがあります。基本的に自分の意見を言わないで、相手が話しやすい環境を築きながら対話をするため、うまく傾聴しないと相手の自発的な行動へ結べなく、チーム力が高まりません。
下記のように、相手の意欲を高める以外にも傾聴のメリットは数多くあります。
- 互いのより良いプロフェッショナルな関係を築く
- お互いの視点の範囲を広げる
- 双方における多くの協力を得る
- 意欲向上やミッションの明確化から生産性が上がる
- 知識の共有や双方の支援内容の明確化
- 相手の自信を高める
- 相手の満足度を上げる
やってみよう
対話中に相手が答えを出すまでは、アドバイスや自分の思いを伝えないように気をつけながら、相手が話した内容を聞いた上で、どのように感じたかについて相手に伝えましょう。相手は聞いてもらっているという安心感から新たな反応を示し、より深く考えるようになる効果があります。
話した内容や行動について褒めることや評価をしないで、相手の内心に秘めた思いや情熱を認知しましょう。相手は自分の存在価値を再認識し、安心して自信が持てるようになり、自発的に行動できます。
プロジェクト・マネジャーは、チーム力を上げるためにプロジェクト・メンバーが大切していることを尊重したコミュニケーションをすることで、相手が自発的行動を起こすようになるということを知っておくべきなのです。
出典
一般社団法人 PMI日本支部、2018、「タレント・トライアングル 破壊的イノベーション時代に求められるプロジェクト・マネジャーの実践スキル」、評言社
カオナビ人事用語集編集部、「傾聴とは? ビジネスでの実践方法(具体例)やロジャーズの3原則を解説!」、https://www.kaonavi.jp/dictionary/keicho/、(最終アクセス2019年11月20日)
請井 政広、「チーム力UPしたいプロジェクト・マネジャーが必ず持つべきスキル」、http://www.umlab.jp/column/listening/、(最終アクセス2019年12月15日)
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